ヴィレッジブックス |
■ 沈黙の女を追って
更新日:2006/03/30(Thu) 15:29 |
[本のタイトル:チ(ヂ)] [作者名別:スーザン・ブロックマン] [出版社別:ヴィレッジブックス] [シリーズ名:トラブルシューター] [傾向:軍事・潜入捜査] |
Kスタン大使館に勤めるメグ・ムーアは自分の祖母と娘をテロリストに誘拐されたため、殺すか連れてこいと命じられた重要人物に銃を突きつけ大使館に立てこもる。それは大使館にいるテロリスト側のスパイに気付かれることなく海軍特殊部隊SEALにいる古い知り合いのジョン・ニルソンに助けを求めたいがための苦肉の策だった。 |
トラブルシューターシリーズ第2弾。アメリカロマンス作家協会2001年度読者投票2位の作品(1位はこのシリーズの3作目) ニルソンとメグは昔互いに惹かれ合うが、浮気者の夫に対する結婚の誓いのために何もせずに別れる。今は夫は居ないものの、誘拐された娘のために必死になるメグ。彼女を理解し助けようと全てをなげうち追うニルソンが、二人の過去の回想を交えて描かれています。誘拐されたメグの祖母が曾孫に語る第二次世界大戦の頃の昔の恋愛話とニルソンのチームの同僚サム・スタレットとFBIに移動したアリッサ・ロックの火花散る関係が途中途中に挿入されています。 メグの結婚の誓いに対する頑なさが気になりましたが、どちらかというと二人の障害は「信頼」だったよう。これは全体を通してのテーマでもあるようです。 個人的にニルソンよりサムの方がお気に入り。 アリッサは黒人の上に凄い美女。以前SEALを目指して頑張っていたため、周囲に見くびられないよう、セクハラされないように、冷たい女・笑わない女といわれるほど頑なになっていて、そんな彼女にご執心なサムなのに顔を合わせれば突っかかってばかり。 サムの方はSEALの少尉でアリッサ曰く“黙ってりゃ男らしいハンサム”。鍛え上げられた体躯にキュートなお尻(笑) サムからいわせれば、アリッサを他の男と同様に扱っている(認めている)のだけど彼女にとっては馬鹿にされているように感じられ、平静でいられない。好きな子ほど虐めちゃうとか嫌い嫌いも好きのウチの典型的な見本のような二人(笑) この二人はシリーズ6作目で主人公になるらしく、今回はその先どうなっちゃうの〜〜??? という感じで終わります。 沈黙の女を追ってヴィレッジブックス |
■ 氷の女王の怒り
更新日:2006/03/27(Mon) 15:56 |
[本のタイトル:コ(ゴ)] [作者名別:スーザン・ブロックマン] [出版社別:ヴィレッジブックス] [シリーズ名:トラブルシューター] [傾向:軍事・潜入捜査] |
「いつでも力になるよ。誰かの助けが必要だったら、テリー、おれはここにいる」 米海軍特殊部隊SEAL第16チームに所属するスタン・ウォルコノフは、海軍予備役の美しい女性パイロット、テリー・ハウが卑猥な上官に絡まれて身を凍りつかせていたのを目撃し、そういった。それは愛ではなく誠意に基づく言葉の筈だった…… やがてテリーとスタンの舞台が一緒に訓練に向かう途中、非常事態が発生した。アテネを飛びたったアメリカの旅客機がテロリストに乗っ取られ、地獄と呼ばれる国カズベキスタンに着陸したのだ。テリーとスタンたちは乗客を救うべく急遽現地へ! |
トラブルシューターシリーズ第3作目。アメリカロマンス作家協会2001年度読者投票1位の作品らしい。 訳したのは1作目の方でした。読んでいてどうしても「目覚める」の目が眼になっているのが引っかかるのですが。「人目につく」の目も眼でね〜 眼でもいいのかも知れませんが、そこ辺りが訳者のこだわりかも知れませんが(今1作目が手元にないので1作目ではどうだったか記憶にありませんが)読んでいて引っかかるのですよ。どうしても。 でもそういう漢字部分以外は読みやすかったです。文章がちょっと硬い感じもしましたが。 文章中にヒロインのテリーが「氷の女王」と呼ばれていたことでこのタイトルのようなのですが、そんな氷の女王って感じも、怒っているって感じも、話の大筋にも余り関係ないような感じだったのでタイトルはぴんと来なかったです。 テリーとスタンは火花大爆発という感じがあまりしなかったです。10才の年の差を気にする余り恋愛に踏み出せず他の男を紹介するスタンと、対等どころか彼に庇護されて居るんだなあと落ち込むテリー。しっとり王道ロマンスという感じです。お馴染み第2次世界大戦時の部分はロマンスとしてはちと弱め。でも、今までのように突然場面が変わって追うのが大変という感じもせず、話としては纏まっています。 前作引き続きのサムとアリッサはどきどきはらはら、どうしてこうなるの!? な展開に。最後の野球帽のエピソード(次作に続くのですが)の辺り哀しかったです。 ロマンス関係でこの先が気になるのはマックスとジーナかも。 氷の女王の怒りヴィレッジブックス |
■ 幼き逃亡者の祈り
更新日:2006/07/31(Mon) 03:28 |
[本のタイトル:オ] [作者名別:パトリシア・ルーイン] [出版社別:ヴィレッジブックス] |
CIAの優秀な工作員だったイーサン・デッカーは3年前に極秘任務に失敗して以来、最愛の妻とも別れ、世捨て人同然の暮らしを送っていた。そこへ突然、かつて同僚だった女性が二人のいたいけな子供を連れて現れ、この子たちを預かってほしいと頼むなり逃げだす。 が、すぐに彼女は無残な射殺体となって発見された。その殺され方を見て、イーサンは3年前の宿敵が再び現れたことを知る。となれば、彼自身だけではなく、二人の子供や別れた妻の命までが危ない。しかも、子供たちには恐るべき機密が秘められていた……。 |
心ならずも壊れてしまった夫婦が、また関わるようになって心を通わせていくというのはよくあるパターンですが、簡単にHOTな関係になるのではなく、戸惑いや忘れていた信頼感など少しずつ引き寄せあっているのが読んでいる方にも伝わっていてもどかしくもしっとりしたヒーロー&ヒロインでした。ロマンスと言うよりは上質のサスペンス。宿敵も単なる悪者ではなく人間味がある部分も書かれていて奥深かったかも。事件の真実も奇をてらいすぎて無く納得のいく意外さでした。 幼き逃亡者の祈り |
■ 流浪のヴィーナス
更新日:2006/02/27(Mon) 18:52 |
[本のタイトル:ル] [作者名別:ローリ(ー)・フォスター] [出版社別:ヴィレッジブックス] |
「あなたがほしいの」男性経験のない24歳の流浪の占い師タマラは、震える声で囁いた。相手は街の女性たちの憧れの的ゼーン・ウィンストン。コンピューター・ショップを経営する、ハンサムで逞しい彼にすべてを捧げようと誓ったタマラは、勇気を出して誘惑を仕掛けたのだ。しかし、ゼーンは独身貴族気取り。女性との安定した関係、ましてや結婚など求めていないと口では言う。だがやがて、隠されていたタマラの真実の姿が明らかになるとき、ゼーンの心は動く?? |
決して恵まれたとは言えない環境で健気に生きるヒロイン。自立心旺盛でちょっと頑固で性的には純情な部分もあります。そしてヒロインにめろめろで家族の絆を大切にしているヒーロー、サスペンス部分は?ですが、いかにもローリらしい話という感じです。 なんといっても最後のヒーローからの告白の部分がとても可愛い♪ どこかの傲慢なヒーローとかだったら「何様!?」って言われそうな台詞ですが、この話の設定だと納得出来ます。 この話にでてきたヒーローのいとこの話が続編で発行されるようですが、その前にヒーローの兄弟3作を集めた短編集を読んでみたいと思いました。 流浪のヴィーナスヴィレッジブックス |
■ 緑の迷路の果てに
更新日:2006/11/20(Mon) 07:20 |
[本のタイトル:ミ] [作者名別:スーザン・ブロックマン] [出版社別:ヴィレッジブックス] [傾向:軍事・潜入捜査] [シリーズ名:トラブルシューター] |
米海軍特殊部隊SEALのケン・カーモディは有頂天になった。たぐいまれな美貌の女性サヴァナと偶然知り合いになり、熱い一夜をともにしたのだ。しかし、実際はサヴァナがふたりの出会いを仕組んだのだった。彼女は、インドネシアにいる叔父のもとまで大金を届けに行かねばならなくなった。インドネシアはテロ行為の頻発する危険な国。そこで、知人のかつての恋人で戦闘のプロであるカーモディに同行してもらおうと思ったのだ。事実を知ったカーモディは激昂する。が、サヴァナを愛する気持ちは怒りよりも強かった・・・・・・。 |
トラブルシューター4作目。 リスの出番に限って2箇所も明らかな名前間違いが……(泣) 2作目のときと違って原書は間違っていなかったよ! (2作目15章のアデルのメールは絶対「親愛なるケニー」だと私は思っているのですが、原書もジョンなんだよね……) 普通に読んでたら判るのに、なんで校正時に引っかからないのか。たのんますよ〜 ワイルドカード&サヴァナというと一番最初に思い浮かべるのは、作者公式サイトでTSの何作目だったかの発売記念カウントダウンのときのカルトクイズ。キス→寝るまでの時間が一番短かったカップルは?というような内容の質問。このふたりと答えた人が多かったようです。(が、正解は2作目部分でのサムリス) そんなラブラブファイヤ〜(死語)なふたり。 本作、第2次世界大戦部分、サブカップル部分、共に人気があるんですよね〜 メインカップルもサムリス・スタン&テリーに次いでの堂々3位。そんな下馬評通りロマンスはどれもこれも秀逸v 1冊で3冊分オイシイ思いをさせて頂きましたv 勿論大きな事件のあった3作目の方が緊迫感があったのですが、(だって逃亡劇なのにジャングル部分ちょっと微笑ましかったんだもん。あのふたりの会話とか)この本も読み返し度は高くなりそう。この分厚さをモノともせず一気読みでした。 9作目に続くというモリー&ジョーンズ。ジョーンズの心がゆっくりとほどけていく課程がいい。こういう丁寧な心の動きがこの作者の好きなところです。手紙の「身体を大事にして」から最後は本当にモリーの深くて広い愛情を感じました(泣) ワイルドカードはもう、カワイイ!のひとこと。 前作OPでとても心理テストをパスしたSEAL隊の一員とは思えない醜態をさらしていた(笑)彼。今までの作品から考え無しな発言と恋愛に一途な部分があるというのは判っていましたが、最後は文句なしにヒーローに見えるから不思議。 いや、私自身16隊ではサムの次に好きなんですけど。この本に限ってはワイルドカードに軍配が上がりましたね。 サヴァナと出逢って恋に浮かれているのも可愛けりゃ、出会いが仕組まれたと怒って傷つけるようなことを言う部分もまだ可愛いの範囲にはいると思うんですが〜 しかも「もうその手は喰わない俺はそこまでとんまじゃない」と怒りつつジャカルタの天気チェックしてパスポート用意して…… ロマンティストな上に基本で優しいんだよね。勿論サヴァナが好きだからもあるけれど、そうじゃなくても彼の友情を勝ち得たら絶対って感じがする。今までに付き合った彼女の数が少なめなのも彼の信頼は貴重で絶対的な表れのような気がする。(いや単なるオタクで好かれなかったのかもというのはあるけどさ) そしてヒロインのサヴァナ。原書読んでいたときはこんなに頑張りやさんの好感度高いヒロインとは思いませんでした。流石ローズの孫です。勿論ワイルドカードが私好みのキャラだったというのもあるけど、ヒロインにも入れ込めるカップル。 最初から最後までラブラブで、なんだか、その後の姿が容易に思い浮かびそうですよ。机に新聞とか斜めに置いていたら会話中にさりげなく置き直してるサヴァナに内心笑っている確信犯なワイルドカードとか(笑) サムリスは〜 前作で一途で誠実な想いを見せてくれたサムが出番が少なくなって、逆にアリッサ側の心情が見え隠れ。サムの結婚生活の実情は本当に切ない。「正しいこと」が「幸せなこと」ではないことに読んでいる方は判るのですが、当事者たちはどうにも気が付かなくて…… いきなりサムの夢の女性が現れたメアリ・ルーの心情を思うとその後の悪言は微妙に割り引かれるような気もする。けど痛い。リスが話をつけたのはサムの今後のためであって、でも彼を傷つけた以上に自分の望みを絶つ結果に(泣) 忘れられないほど好きな人との繋がりを自分でずたずたにするのって辛いよね…… サムリス巻の6作目やマックスメインの9作目があるという目で見ると最後の展開はえ〜?ですが、それを考えなければあり得るというか、前向きな展開だよね。リスとマックスはお互いの気持ちが向けばいいカップルになれると思うし。 コーヒーショップの後のサム側の描写がないので想像すると余計に切ない。絶対前作みたいに部屋の床にへたり込んじゃっていたと思われ。 ああ〜、しかし次巻は更にサムリスファンには痛い話に…… 緑の迷路の果てに |
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